私は1人じゃない




外は少し風が吹いていてお酒で少し麻痺してる頭がスッキリする。



「和藤先生、ありがとうございます!!大泉先生主催だからどうも抜けづらくて……咲ちゃんと電話してきます!!」



大泉先生は学年主任で優しいいい方をするけど棘があって断れないような雰囲気を出す。



それが苦手な先生も多い。



「秋祭りに行ってる生徒が多いから、見回りに行ってきます」と言って、岡田先生と抜け出すことに成功した。



岡田先生はタクシーでホテルに帰って行ったけど、俺は頭を冷やしたいからホテルまで歩くことにした。


近くで秋祭りをしていてお腹がいっぱいだけど食欲をそそる匂いがする。


杏衣ちゃん、何してるんだろう……


秋祭りにでも行ってるのか。


ホテルに行くまで多くのカップルや学生が行き来していて俺1人で酔っ払いが歩いているのが情けなくなってきた。



「蓮くんと杏衣ちゃんどこ行ったんだろう??」


歩く俺を森山と佐久間が追い越した。


ちょっと急ぎ足になっている、何かあったのか。


それよりも水樹と杏衣ちゃん、2人で行動してるのが気になる。


今に始まったことじゃないけどやっぱりいい気分じゃない。


水樹は杏衣ちゃんが好きだから、杏衣ちゃんが水樹と付き合う……


「ダメだ」


頭の中で否定して、思わず口に出てしまった。



ダメだ、杏衣ちゃんの隣には俺がいたい。


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