私は1人じゃない




勇斗さんと一緒に住み始めて1ヶ月くらい。



勇斗さんは働き始めたから日中はずっと1人でいる。


私もそろそろ学校に行った方がいいのかもしれない。


夏休みは終わって、ずっと家で過ごしていた。


もう心も頭もある程度は整理がついたしそろそろ行かないと留年しそうで怖い。



スマホをじーっと眺めていると通知が連続で「トントントン」と鳴る。



思わず見ると、



『杏衣!返事!』


『元気にしてるの?』


『何かあった?』


『学校来て、私寂しいぴえん』


ぴえんなんて朱莉らしくない現代語を使っている。


というか意味を知らないけど寂しいと近しい意味なんだろう。



私の事情を唯一知っている宮原 朱莉(みやはら あかり) から31件もメールが来ている。


着信は14件。


一切返事しない私もひどいけど全然怯まない朱莉も朱莉だ。


『大丈夫だから、近いうちに学校に行く』


すぐに返信が来たけど見ずに眠った。
< 23 / 315 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop