私は1人じゃない
「和藤さ、」
「………どうした」
「杏衣のこと好き?」
心臓を撃ち抜かれた気がした。
何でバレた。
俺何をしでかした。
俺の顔が挙動不審だったのか。
水樹の顔を見ると何かを疑ってる。
「何でそう思うんだよ」
「勘」
怖いわお前の勘。
杏衣ちゃんと一緒にいるところを見られたのか?
なんで水樹は俺の気持ちに気付いた。
バレるわけにはいかない。
「霧野さんは生徒だよ、恋愛感情なんてない」
「ふーん、それじゃ」
勢いよくドアを閉められた。
まるで、“俺の杏衣に近づくな”
そう言われている気がした。