私は1人じゃない
「放課後待ってるねって言われた」
「えーえー、何するの!!」
「だから数学のテキストを持って…」
「それだけじゃないよ絶対」
「杏衣ちゃんと和藤先生何かあるの?」
七瀬ちゃんには和藤先生と暮らしてることは知らない。
朱莉と七瀬ちゃんには和藤先生に片想いしてることも言ってない。
「何かって………」
「七瀬、実は和藤先生と杏衣は……「朱莉、ストップ!!」」
「七瀬とずっと一緒にいるのに隠すのはないでしょ、恋バナは3人共有、それルールね」
「うんうん!」
七瀬ちゃんが笑顔で頷いてる。
「和藤先生と一緒に暮らしてるんだ」
「えー!!!」
クラス中が私たちを見てる。
「七瀬ちゃん、静かにして」
「あ、ごめん……」
「どうしてどうして?」
「先生だと気づく前に暮らしてるから先生と生徒はたまたまなの本当に」
「そうなんだ!でも和藤先生と杏衣ちゃんお似合いだよ!」
「そんなことないよ」
「そんなことあるある、2人付き合っちゃったら?」
「そんな軽く言わないでよ……」
「和藤先生のこと好きなんでしょ」
隠していたことをまんまと当てられてギクッとする。
朱莉の顔を見ると笑っていなくて真顔になっている。
「………朱莉」
「もうとっくに気付いてた、でも杏衣が言うと思わないし好きでも悩んでたんじゃない?先生だから」
何も言わなくても全部分かってる朱莉。
朱莉には全てお見通し。
「好きならアタックするだけだよ杏衣ちゃん!」
「でも先生が私のこと好きかは分からないし、付き合えると思わないよ」
朱莉と七瀬ちゃんが同時にため息をつく。
「何言ってんの」「杏衣ちゃん、気付いてよ」
「「和藤先生は杏衣のこと好きだよ!!」」