私は1人じゃない



「れーんくーん」
「何で来てんだよ」


「学校に来ないのはなんで〜〜?」
「それより俺の質問に答えろ」


「家の暗証番号教えてくれたんだからいつでも来ればと言ったのは蓮だよ?」
「………だからなんで来たんだよ」


「学校に来ないのはなんで〜?霧野ちゃん絡み?」
「………分かってんだろーが」


修学旅行の最終日に和藤が杏衣の状態を誰よりも心配しているのがムカついたし、


何よりも自由行動で和藤と一緒に食べ歩きしてたのが、一発和藤を殴ろうと思うくらいムカついて悲しかった。


両思いやんけ。


俺が入る隙がないやんけ。


なに人が多いことに教師と生徒の余りでたまたま組んだみたいな雰囲気利用して2人で歩いてんだよ。



あの時の2人の笑顔が嫌なくらいに俺の頭にまとわりついて、もう顔が見たくなくて学校に行っていない。



凌だけには家の暗証番号を教えているから凌は自由に俺の家に入れるようになっている。


中学の時に凌が隣の席で日本に来て分からないことだらけの俺に全部教えてくれて俺と友達になってくれた凌。


最初はうぜえなと思ってたけどどんな俺でも否定しない凌に俺はありがてえ。


本人には言うつもりはないが。

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