私は1人じゃない
授業をサボって廊下を歩いていたら杏衣がいた。
すぐに目が合って杏衣から逸らされた。
気まずそうな顔してんな。
正直俺の方が気まずく感じてる自信ある。
そんな俺らを察したのか凌は杏衣を連れて最近の俺らのたまり場に連れて行った。
誰も使ってねえのに暖房が効いてていいんだよな。
杏衣はまだ気まずそうで俺の顔色を伺ってる。
そんなに怖い顔してんのか。
杏衣の顔を見れば、「なんで和藤なんだ、なんで俺じゃねえのか」
それしか浮かんで来ない。
犬が嗅覚いいなら、凌は勘が鋭い動物のように、凌が教室から去っていった。
去る時に俺にウィンクして。
なに期待してんだコイツ。
たまに、いや頻繁に分かんない時がある。