私は1人じゃない
「相談したいことって?」
七瀬ちゃんとクレープ屋に来て甘いものを食べながら話を聞くことになった。
「凌くんのことなんだけど、」
「そうだと思った」
「凌くんがモテることも、特定の女の子を作らないと分かっているの。でも私はどうしても凌くんを諦めたくなくて、どうしても私を見て欲しくて、私のことどうにでもしていいよと言ったの、そしたら、色気がある女の子しか抱かないと言ったの、それって私のことは好きじゃないってことだよね?」
完全に遊び人の発言じゃん。
「でも好きじゃないとは断言できないかな」
「なんで?私は色気がないから抱かないってことじゃないの?」
「七瀬ちゃんに色気がないとは言ってないし、凌が七瀬ちゃんを好きじゃないとは言ってないからね?」
「じゃ、まだ諦めるのは早いってこと?」
「そうだね、しかも凌のことだし、七瀬ちゃんが凌を好きだと本人にバレてると思うよ?」
「なのに知らないフリしてるってことは、やっぱり私のこと好きじゃないのかな……」
七瀬ちゃん泣きそう。
本当に凌のこと好きなんだな……
「本音を凌から聞くしかないよ」
「何回も聞いたの、私のことをどう思ってる?って」
「そしたら?」
「んーー、どうだろうねぇ〜〜ってごまかすの!なんでかなぁ??」
「なんでって…」
凌の気持ちが見えない。
蓮よりも。
「もーーー恋愛って難しいね」
「ほんとそれ」
答えがないから学校の勉強より難しい。