私は1人じゃない
ガトーショコラを食べたらほんと美味しかった。
「なにそのガトーショコラ、ひとくちちょーだい」
「りんねえ、やめてよ〜」
「美味しいね!てかチョコ何個もらったの?」
「今日は10個」
「明日が怖いわ」
「もらうけど全部りんねえかかえでねえにあげるから」
「それはいいけど、甘いもの嫌いな凌が食べてるなんて珍しい」
「これは食べたかった」
「もしかしてあの子からもらったの?ずっとアタックしてくる女の子」
「そうーだねえ」
「好きなら付き合う、それだけじゃん〜いい加減迷うな」
「そうだけどー」
「まじ凌さ、七瀬ちゃんのこと毎日考えちゃってるとか、それで女の子の遊びが減った理由はひとつしかないだろうよ、まじで素直になれ!」
「いったい!!」
思いっきり背中を叩かれる。
「凌、これって…」
「あーー…………」
見られたくない手紙を見られてしまった。
「自分から告白しなさいよ!!好きなんだから!!」
と声を荒げて部屋から出ていったりんねえ。
「あ、好きな子のチョコ食べてごめんね〜甘さ控えめにしてるの凌思いだねえ〜、大事に食べろ」
甘さ控えめのガトーショコラでも僕の気持ちはすーっと砂糖が入ってくような幸せな気持ちだった。