私は1人じゃない




蓮は固まってる。


動いてない。


「…………今なんつった?」


やっと首が動いて私の方に向く。


「だから、私は蓮と付き合いたい」
「幻聴か?」



「わたしは!!蓮と!!付き合いたい!!!」


「これでも幻聴っていう?」


「え、まじで言ってる?」
「そんなびっくりする?」


「今のタイミングもそうだけど、絶対俺のものにすると言ったけど心のどこかでは和藤だろうなと弱気になってたのも事実だ」
「待たせたよね、でもそれは愛されることに不安というか、愛されていいのかなとか、本当に愛されるのかなとか依存にならないかなとかいろいろ考えちゃって…」



「無駄な時間だな」
「え?」


「俺はずっと霧野杏衣だけだし、母親からも父親からも守るし、愛するに決まってるだろ、ばーーーーか」
「ほんとに?」


「疑うんじゃねえ」
「分かった」



「あー課題やーめた」
「単位落ちるよ!?」


「課題してる時にいう杏衣が悪い」
「それはーーー」


「いや、悪くない、めっちゃ嬉しい」


私に抱きついてくる。



「てか和藤からも告白されたんだろ?和藤には言ったのか?」
「言ったよ、私は蓮にするって」


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