私は1人じゃない
ああ、失恋したんだ、じゃなくて思考停止してなにも考えられなかった。
「勇斗さんのこと好きでした、勇斗さんが私を好きだと言ってくれて嬉しかった。でもずっと蓮が私を好きだと言ってくれてそれが響いたんです。
勇斗さんには感謝しかないです。あの夏の日私を助けてくれて、そのまま家に泊まっていいって言ってくれて、勇斗さんと過ごした日は本当に楽しかったし、安心しました。
勇斗さんが好きでハグしたりして片想いだと思っていたけど修学旅行で内緒で勇斗さんの部屋に泊まって嬉しかった。
でも勇斗さんは人として好きで、恋愛として好きなのは蓮です。
勇斗さんのこと嫌いじゃない。
でも蓮を私の心から完全に消せなかった。
ごめんなさい。」
「水樹、スタイルも顔もいいし積極的なところもいいもんね、敵対視してたところあったけど、でも杏衣ちゃんが幸せならそれでいいから」
「ありがとう」
「これからは完全に先生と生徒だね」
「そうだね」
「でもたまにはたわいもない話したりしよう」
「もちろん」
「杏衣ちゃん」
「うん?」
「杏衣ちゃんを好きになれてよかった。それだけ最後に言いたかった。」
「私も勇斗さんと出会えて、恋できてよかったです」
ーーー杏衣ちゃんの笑顔が見れてよかった。