私は1人じゃない
失恋。
失恋したんだ……
そう思うとやっぱり涙が止まらなかった。
男なのに。
「あー、俺も杏衣だけだって、水樹みたいにガンガンアピールすればよかったのかなー」
「好きになってからは人それぞれ方法がありますから自分を責めなくていいんですよ〜!」
「そうよ〜、でも蓮くんは強敵だわ」
「梨沙子、やめろ」
俺の失恋を聞いた、岡田先生と梨沙子が居酒屋に連れていってくれた。
相変わらず岡田先生は咲ちゃんと順調らしく咲ちゃんが卒業したらプロポーズを考えているだとか。
今考えると嫉妬してしまう。
「杏衣ちゃんがかっこいいって理由だけで蓮くんに行ったんじゃないわ、杏衣ちゃんもいろいろあったから守ってくれる人、強そうな人が良かったんじゃないの?」
「それ俺強くないみたいな言い方」
「強くは見えないよね、優しすぎんのよ、そうだよね、岡田せんせっ?」
「まぁー、人それぞれですってアピール方法は」
「好きにも種類があるから、勇斗は恋人としての好きじゃなくて、人として先生として好きってなったんでしょう」
「梨沙子よく分かったな、同じこと杏衣ちゃんから言われた」
「女心を理解できるのは男より女、間違いない、白にも200種類あるとか言ってたように好きにも微妙に違いがあるってこと」
「深いですね〜、梨沙子先生」
なんとなく分かる。
杏衣ちゃんはなにも悪くない。
「本当に好きだなあ…」
「学校では杏衣ちゃんの顔見れるじゃない」
「担任違うし数学の時だけだしなー」
「もう忘れる努力するの、彼氏いるんだから」
「学校では教師づら頑張るけど、実際顔見ちゃうと忘れるの難しいよなー」
「それはそうですね」
「また生徒に恋したら?」
「梨沙子、さっきからぶっ飛びすぎだ」
「失恋を忘れる方法は上書きよね、上書き保存」
「しばらくは無理そう」
「勇斗、一途だもんね」
そう俺は一途に杏衣ちゃんを思ってきた。
こういう結果にはなったけど後悔はない。
俺なりに杏衣ちゃんに寄り添えたしアピールもできた。
「杏衣ちゃんが幸せならそれでいい」
「主成分優しさかよ」
これからは主成分積極的になればいいな〜と思った。