私は1人じゃない



青組が総合優勝と応援賞、紅組が看板賞をもらった。


閉会式が終わって青組の陣営は大喜び。


青組はスポーツ科の組が1組もないのに、優勝できるとは思わなかったし私も嬉しい。



結果が伴うのは誰しも悪い気分にはならない。


「みんな、今までありがとう、最高の思い出になった!!」


組頭がトロフィーを上に掲げて大声でみんなにそう言った。


周りの人も拍手や声で応える。


「俺、実は好きな人がいる。今告白したいので出てきてくれますか。」


公開告白か…


される人はどうなんだろう、嬉しいのかな。


断りにくい感じがして私は嫌。


「2-3の霧野 杏衣さん」


私の名前を呼んでいる気がした。


みんなが私を見ている。


組頭まで。


まさか、私?


嘘でしょ?


「杏衣、ここに来て」


組頭に呼び捨てにされるほど親しかったっけ?


組頭の顔をじーっと見たら思い出した。


この人から何回かナンパされたことある。



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