私は1人じゃない



「無理です、付き合えません」


周りの空気が氷のように冷えた。


「なんで?」
「風雅さんのことあまり知らないので」


「これから知っていけばいいよな」
「断ります」


そう言ったら風雅さんの友達が、


「はぁ?ありえねえ」


「生意気なやつだな」


「可愛いのは顔だけかよこいつ」


そんなにブーイングする?


告白でyesをもらえるとは限らないでしょ。


そういう前提で告白するのがあり得ないと思いますが。


そう心の中で思っても口には出せず、ただ周りからの敵意の視線に無視するだけ。


風雅さんはヘラヘラしてるようで凹んでる。


「そうか、ありがとう」


風雅さんの女友達という人たちの視線が目から火が出るんじゃないかと思うくらいに怖い。



私のせいで総合優勝の覇気が一気に無くなった。


公開告白をすればOKされるという脳がおかしい。


高校生の女子でも恋愛をしたくない人がいるんだよ。


今までたくさん傷ついてきたからこそ人に頼らないで、いや、頼れなくて、1人で強く生きようとする。


それを愛されてきた風雅さんは知らない。


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