私は1人じゃない
「もうひとつ質問じゃなくて頼み事がある」
「なに」
水樹は一瞬で固まった表情を直して、
「このハチマキ俺にくれ」
この人は冷たい感じがするしこの世の中のルールなんて考えずに生きている気がするのになんでハチマキを貰おうとするのか。
もしかしたら縁結び以外の理由があるのかもしれない。
「なんで」
「もう体育祭は終わったしいいだろ、俺のももらっとけ」
少しだけ汗がしめている緑のハチマキをもらった。
確かに体育祭は終わったし縁結びとかは関係ないだろう、意味もなくもらってとっと帰りたい。
「あげるけど貰わないから、じゃ」
2人は追って来なかった。
「やっと始まりそうだな」
この出会いが私を変えるなんて思いもしない。