木沢彰吾、禁煙を決意する 『恋に異例はつきもので』おまけSSその1
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「結婚してくれ」
先週、会社帰りに食事を共にしたとき、プロポーズした。
「もう1分も1秒も花梨と離れていたくない」
花梨は頬を真っ赤に染めて、それでもしっかり頷いた。
「うれしいです、彰吾さん……。わたしも……ずっと一緒にいたい」
はにかんだその顔を見たとたん、ぐわっと身体の内側から何かが突き上げてきた。
後悔した。
家に帰ってからにすればよかった。
そうしたら、すぐにでも抱きしめられたのに。
だが、彼女は俺のそんな、でれでれ気分に冷水を浴びせた。
とてつもない難題を突き付けて……
「でも彰吾さん、ひとつだけお願いがあります」
「うん? 新婚旅行に行きたい場所でもあるのか? どこでもいいぞ。南極だろうが、ガラパゴスだろうが、月だろうが、どこだって連れてってやるよ」
「そうじゃなくて……あの、怒られるかもしれないけど」
「なんだ?」
「結婚してくれ」
先週、会社帰りに食事を共にしたとき、プロポーズした。
「もう1分も1秒も花梨と離れていたくない」
花梨は頬を真っ赤に染めて、それでもしっかり頷いた。
「うれしいです、彰吾さん……。わたしも……ずっと一緒にいたい」
はにかんだその顔を見たとたん、ぐわっと身体の内側から何かが突き上げてきた。
後悔した。
家に帰ってからにすればよかった。
そうしたら、すぐにでも抱きしめられたのに。
だが、彼女は俺のそんな、でれでれ気分に冷水を浴びせた。
とてつもない難題を突き付けて……
「でも彰吾さん、ひとつだけお願いがあります」
「うん? 新婚旅行に行きたい場所でもあるのか? どこでもいいぞ。南極だろうが、ガラパゴスだろうが、月だろうが、どこだって連れてってやるよ」
「そうじゃなくて……あの、怒られるかもしれないけど」
「なんだ?」