あなたとのこと



仕事が別に好きなわけじゃない。ただ、生きる為には仕事をしなきゃ、おまんまくいっぱぐれる、つまり食いぶちがなくなるということ。

私は食べることが大好きで、少しぽてっとした体をしてる。だからといって、凄まじい体型ーーーーというほどではないとおもう。








「猪山(いのやま)」

眼鏡が特徴的な上司に呼ばれ、振り向いた。私はスタスタと廊下を歩いていたのだ。…今日、ご飯なに食べよう…。


「返事くらいしろ」

ふん、と少し拗ねたように鼻を鳴らして、すぐに本題を突きつけてきた。

「お前の歓迎会も兼ねてにはなるが、毎年の夏祭りをするんだがーー来るか?」

少しぎこちない笑みを浮かべ、それでもなんとか仲良くなろうかと言うように、もごもごと言う私の上司になった人。私は満面の笑みで

「えっ!行きたいです、行きたい!!」

と、言った。冷めた心と出てくる言葉は基本ちぐはぐだ。それが私であり、傷心を隠すための防護服の役割をしてる。

ーーーーそうでもしないと、歩いてるだけでも泣きそうだから。


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