「みえない僕と、きこえない君と」
「そろそろ、行きましょうか。日も落ちてきた

ようだし」

「はい。僕の話に付き合ってくださって、

ありがとうございました」

「いやいや、愉しい話を聞かせてもらえて、

気持ちが若返りましたよ。この続きは、また今度、

旨いコーヒーでも飲みながら聞かせてください」

「はい」

また今度、という小さな約束が出来たことに、

得も言われぬ悦びを感じながら、僕たちは再び、

帰路についたのだった。

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