8月25日(前編)
さすがにこのまま帰るわけにも行かず、虚しく散る髪の毛を片付けていると、廊下から笑い声が聞こえてきた。

ど、どうしよう!?…


隠れられる場所もなく、咄嗟にしゃがみ込み顔を両手で覆った。

お願いだから早く通り過ぎて…!

という願いは残念ながら叶わなかった。


その笑い声の主たちは、どうやらこのクラスの男子らしい。

「うおっ!?ビックリしたっ!……え、誰?」

「…夏目さん、じゃない?」


あ、この声は与田くんだ。

ってことは水樹くんたちなんだ。


あー、なんでよりによってまだいるの?
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