8月25日(前編)
「ねねね、」

後ろから彼女が話しかけてくるけど、それに返事なんてしないし、足を止めることもしない。

「え〜シカト?」


関わるなんて御免だ。

関わってしまえば高校生活は一瞬にして終わるに違いない。


「ね〜ってばっ」

彼女のやや大きめの声と同時にスカートの後ろを強くめくられた感じがして思わず

「ちょっと!」

そう声を張ってスカートを抑えた。


「ふふっ、なーんだ!ちゃんと話せるんじゃん」

と彼女は楽しそうに笑うけど、こっちは全然笑えないんだけど。

「ね、わたしたち友達いない同士仲良くしよ?」
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