8月25日(前編)
友達いない同士って…
勝手に友達がいないと決めつけないでほしい。
…確かにいないんだけど。
でもそれはわざと作らないだけだ。
「わたし千波!よろしくね?」
と差し出すその手を掴むなんて絶対あり得ない、と思っていると勝手に手を掴まれ握手を交わされた。
ただわたしは彼女の長くて綺麗な爪を眺めていた。
「夏目ちゃんの下の名前って何?夏目が名前じゃないよね?」
「…………紗良…」
まさかこんな日がくるとは…。
親以外の人間と会話を交わす日が来るなんてあり得ないと思っていたのに、彼女の勢いにはどうしても負けてしまう。
「紗良、か。いい名前だね!わたしのことは千波って呼んで?」
勝手に友達がいないと決めつけないでほしい。
…確かにいないんだけど。
でもそれはわざと作らないだけだ。
「わたし千波!よろしくね?」
と差し出すその手を掴むなんて絶対あり得ない、と思っていると勝手に手を掴まれ握手を交わされた。
ただわたしは彼女の長くて綺麗な爪を眺めていた。
「夏目ちゃんの下の名前って何?夏目が名前じゃないよね?」
「…………紗良…」
まさかこんな日がくるとは…。
親以外の人間と会話を交わす日が来るなんてあり得ないと思っていたのに、彼女の勢いにはどうしても負けてしまう。
「紗良、か。いい名前だね!わたしのことは千波って呼んで?」