8月25日(前編)
その為にも、まずは朝陽とちゃんと向き合おう。

そう思った。


その日の夜、久しぶりに朝陽の家のチャイムを鳴らした。

「はーい!……あら、紗良ちゃんっ!」

出てきたのは朝陽のお母さんだった。

「お久しぶりです。朝陽、いますか?」

「今お風呂入ってるから上がって待ってて?」


おばさんはそう言うと笑顔で招き入れてくれた。

「朝陽の部屋変わってないから先に行ってて?朝陽に何か持たせるから」

「あ、はい」


そう言うとおばさんはリビングへと姿を消した。

朝陽の部屋…かなり久しぶりだ。

勝手に入っても大丈夫かな?


なんて思いながらもドアを開けた。
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