8月25日(前編)
その時、お盆を持って朝陽が入ってきた。

「紗良、来るなら言ってよ。てか前髪、やっぱり切ったんだ?似合ってる」

テーブルにお盆を置くと笑ってわたしを見る。


「それよりどうしたの?急に」

「朝陽とちゃんと向き合おうと思って」

「向き合う?」


テーブル前に座ると、朝陽も向かい側に座った。

「もう朝陽のことを避けたりするのは辞める。わたし、もうこんな自分は嫌…」

「それは大賛成だけど…またなんで?何が紗良を変えたの?」

「それは…」


わたしを変えてくれたのは水樹くんだ。

少しずつではあるけど、強い気持ちを持てるようになったのも水樹くんのおかげ。


「水樹」
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