8月25日(前編)
「なんならわたしが切ってあげようか?こう見えてわたし結構器用だよ〜」

と千波が寄ってくるのがわかった。


そんなの余計なお世話だ。

ほっといてほしい。

「紗良?」

千波は名前を呼ぶと、わたしの前髪に触れる。

そのまま前髪を少し上にズラして瞳を絡めてきたから思わずビックリしてしまう。


「え…普通に可愛いんだけど…なんでっ?もったいないって!」

「やめてっ」

わたしは咄嗟に千波の手を振り払った。


お願いだからもう関わらないで。

わたしは1人でいい。

友達なんていらない。
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