8月25日(前編)
千波を置いて歩き出すと、後を追うように隣に並んで歩く千波にため息がこぼれそう。

「紗良見てると少し前の自分を見てるような気になるんだよね」

勝手に語り出したけど、どう考えてもそれはおかしい。

だって、千波はわたしとは真逆。

「わたし高校デビュー!ってやつなの。誰もわたしのことを知らないところに行きたかったから、地元離れて1人暮らし始めたんだ〜」


…高校デビュー…?

「中学までのわたしは紗良みたいにって言ったら失礼だけど…本当に今の姿とは真逆だったんだよ?学年一の真面目ちゃんだったしね」


と鼻で笑う。

だけど、本当にそれはあり得ない…と思ってしまう。

とても想像できない。
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