8月25日(前編)
ある程度買うと、人混みから離れた場所に腰をおろした。

「紗良、何か欲しい物とかないの?」

「んー、りんご飴が買えればそれでいいかな」

「あ〜そうじゃなくて…ほら、誕生日すぐじゃん」


あ、そっちのことか。

と恥ずかしくなる。

欲しい物はない。


ついこの前それは考えたばかりだ。

「何もいらない。欲しい物考えたけどなかったんだよね」

「じゃ〜りんご飴2本…いや、3本でも買ってあげるよ」

「ほんとっ?じゃ、2本!」


さすがに3本は飽きてしまいそうだし、2本がちょうどいい気がする。
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