8月25日(前編)
去年までは家の中で花火の音を聞いていただけ。

まさかこんな間近で見れる日がくるなんて…。


一緒に来てくれた朝陽に感謝だね。


「紗良、」

花火が終わると朝陽の声が届いた。

「また来よう?来年は幼馴染としてじゃなくて…紗良の彼氏として一緒に」

「え……」


来年…

朝陽の言葉に水樹くんの姿が思い浮かんでしまう。

だって来年は水樹くんと…。

「まぁ、彼氏じゃなくてもいいんだけどね。今日みたいな感じでもいいから、来年も紗良と来れたらいいな〜」


朝陽はそう言うと夜空を見上げる。
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