8月25日(前編)
わたしに優しく接してくれたのだって奈々ちゃんからの同情なんだろう。

そうだとしても、わたしは水樹くんに救われてきた。


今、こうして前向きで学校生活が送れているのだって間違いなく水樹くんのおかげ。

わたしだって受け入れたい。

わたしを受け入れてくれたように…


水樹くんの全てを受け入れたい。


そう思うと再び走っていた。

水樹くんがどこに行ったのかなんてわからなかったけど無我夢中で走った。


階段を2段飛ばしで駆け上がると、探し求めた背中を見つけた。


「水樹くんっ!」

気づくと名前を呼びながら、勢いよく背中に抱きついていた。
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