8月25日(前編)
「…だから俺はやめときな?紗良ちゃんには長谷川「振ったの…朝陽のことはもう振ってる」」

水樹くんの言葉を遮ったことに申し訳なさなどない。


「…そっか…。じゃ、逞は?逞と仲良くなったみたいだし」

「……っ…」

「紗良ちゃん?」

「どうして?…水樹くんのことを好きでいることはそんなにダメなこと?」

「それは…」


…悔しい…。

なぜだかわからないけど悔しくて仕方ない。


「…もう、いい……」

もうどうでもいいや。


水樹くんに背中を向けて歩き出すと同時に涙がこぼれた。
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