8月25日(前編)
「水樹くんには言われたくないよ…水野くんだって…」


水樹くんだって奈々ちゃんと…。

「…そう、だよね…ごめん」


そう言うと水樹くんは力なく笑い、そのまま階段をおりて行った。

「はぁ…何でうまくいかないんだろう」


水樹くんのことは変わらず好き。

好きなのに何かが邪魔するんだ。


受け入れたい気持ちだってあるのに…怖い。


奈々ちゃんとはもう会っていないって言ってたけど、それは一時的なだけで何かの機会さえあればまた…って。


わたしを好きだと言ってくれたことも全て信じれないんだ。


みんな、どうやって相手のことを信じてるの?

わたしの人間不信はどうやったら直るの?…


……どうせ、裏切るでしょ、みんな。
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