8月25日(前編)
少し時間を置いて下駄箱に向かうと、校舎に人の気配はなかった。
そっか…今日って始業式だったんだった。
明日からまた水樹くんの背中を見なきゃいけないんだ。
「はぁ…」
無意識にため息がこぼれた。
トボトボと校門を抜けると「夏目紗良、ちゃん?」と初めて聞く声に顔をあげた。
見ると、そこにはどこかで見たような…薄っすら見覚えのある顔の女子が立っていた。
「えっと…」
誰だっけ?
制服が違うところを見れば他校の子だろう。
だけど全然思い出せない。
「わたし、奈々って言うんだけど…慧から聞いてないかな?」
奈々ってわたしが知る人は1人しかいない。
そっか…今日って始業式だったんだった。
明日からまた水樹くんの背中を見なきゃいけないんだ。
「はぁ…」
無意識にため息がこぼれた。
トボトボと校門を抜けると「夏目紗良、ちゃん?」と初めて聞く声に顔をあげた。
見ると、そこにはどこかで見たような…薄っすら見覚えのある顔の女子が立っていた。
「えっと…」
誰だっけ?
制服が違うところを見れば他校の子だろう。
だけど全然思い出せない。
「わたし、奈々って言うんだけど…慧から聞いてないかな?」
奈々ってわたしが知る人は1人しかいない。