8月25日(前編)
確かにわたしとの間にがっつりテディベアが挟まれている。

だけどこのテディベアは宝物。


「紗良ちゃんに言われなくても、奈々のとこに戻るつもりはなかったよ。俺、もう自分に正直に生きることにした」

「正直に?」

「うん。紗良ちゃんのことを傷つけた分、これからたくさん笑顔にさせたい。笑ってくれるならUFOキャッチャーだって頑張るよ」

「水樹くん、苦手だもんね?このぬいぐるみだって苦労したんでしょ?」

「え、何でそのこと知ってるの?」

「水樹くんのことは何でもわかるから……ありがと」


ありがとう…

いっぱい、色々…本当にありがとう。


「…紗良ちゃん、好きです。俺と付き合ってください」

水樹くんはそう言うと離れて瞳を絡めてきた。
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