8月25日(前編)
「えっと、その…忘れてきちゃって…」

「忘れたっ?…っはぁ……っそ。じゃ、仕方ないね」

水樹くんは薄く笑うと席に着いた。


チラッとリュックに視線を向ける。

本当はこの中に……。


まぁ、でも…いいや。

全然貰ってないわけじゃないし、わたし1人から貰う貰わないはもう関係ないだろう。


水樹くんと付き合いだして1ヶ月が過ぎた感想は…

特にこれといった変化はなし。


本当に付き合ってるのか怪しく思えてくるレベルに達している。

そんな中、千波と与田くんのラブラブさは学校中に広がっているほどで、さすがにそこまでとは言わないけど羨ましくは思う。


2人は登下校も一緒だし、バイト先まで与田くんは迎えに来ていたり…

そんな姿を水樹くんと比べては肩を落としてしまう。
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