8月25日(前編)
それからバイト先まで送ってもらうと「頑張ってね」と言い残し去って行った。


気持ちが温かく、幸せな気持ちでいると同時に千波への申し訳なさが襲った。

だって千波は今頃…。


着替えを済ませ、時間までスマホを触っていると沢田先輩が入ってきた。


「お、紗良ちゃん」

「沢田先輩」

「ここまで彼に送ってもらった?」

「え、どうして…」

「途中すれ違ったから」


あー、なるほど。


「なんか俺、勘違いされてるみたいだね」

「勘違い?」

「すんごい睨まれたもん」


…それは申し訳ないです。

だけど、それはほんとに水樹くんの勘違いだ。
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