8月25日(前編)
水樹くんの姿が見えた時、嬉しさと安心さを感じた。

そういう気持ちって大事だと思う。

「紗良ちゃん前向きになったね。もう俺のサポートは必要なさそう」

「サポートは必要なくても、彼氏としての存在はとても必要だよ」


水樹くんの存在があるから、こうして前向きでいれるんだ。

だからずっとそばにいてほしい。


「うん。紗良ちゃんが嫌って言っても離れる気ないからね」

と冗談のように笑う。

わたしから嫌なんて言うことはないだろう。


だって、水樹くんがいない生活なんてもう考えられない。


そんなことを考えていると家の前まで来ていた。

今日はお互いバイトは休みだけど、どこか遊びに!なんてことにはならなかった。


「じゃ、また明日ね」

「うん、送ってくれてありがとう」
< 383 / 530 >

この作品をシェア

pagetop