8月25日(前編)
お礼を言うと優しく微笑み、踵を返した水樹くんの背中を見送りながら思い出す。

写メ……


やっぱり撮りたい。

わたしも水樹くんとのツーショットが欲しい。

そう思うと自然と足が動いていた。


「み、水樹くんっ」

名前を呼ぶと驚いた表情を見せていた。


えっと、何だっけ…

袖口を少し掴んで上目遣いだっけ?


と和子が言っていたことを訳も分からず実行してみるけど上目遣いのやり方がわからなかった。


とりあえず袖口を掴んで水樹くんを見上げる。

「あの……写メ、撮りたい…です」

って敬語になってしまったのはなぜだろう。


ま、いっか。

一応素直に言えたつもりだ。
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