8月25日(前編)
案の定、次の日は青く腫れあがっていた。

「行ってきます」

とリビングに顔を出すとお母さんが笑顔で見送ってくれた。


玄関を出ると朝陽の姿が見えて驚く。

「おはよ、紗良」

なんでいるの?…

「途中まで一緒に行こうと思って…。たまにはいいだろ?」

そんなの全然よくない。


だけど……朝陽には昨日の恩がある。

途中までなら…いいかな?って。


「途中まで、だから」

そう言うと「おう」と返事が戻ってきた。
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