8月25日(前編)
朝陽と並んで歩くのもかなり久しぶりだ。

「どう?クラスには馴染んだ?」

「…馴染むつもりないから」


何もなく高校生活を終わらせられればそれでいい。

「友達は?できそう?」

と聞かれて浮かんだのは千波。

だけど、千波とも友達になるつもりなんてない。


「同じクラスだったら、もっと紗良のこと気がけてやれるんだけどね」

何も答えないでいると朝陽は気を使ってそんなことを言ってきた。

だけどそれこそわたしは望んでいない。


朝陽とは学校で関わるつもりなんてないから。
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