8月25日(前編)
ドアを出たところで誰かとぶつかったけど、今のわたしには気にする余裕もなかった。


そのまま足を向けたところは3階…

誰もいないところでとりあえず落ち着きたかった。


チラッと男子更衣室の札が視界に入ってくると、そのまま足を踏み入れた。


「…はぁ…もう嫌」

何もかもが嫌になってくる。

だけど一番嫌なのは、こんな自分だ。


朝陽やお母さんにあんな思いをさせたくないのに、いつまで経っても気持ちが強くなれない。

変わりたいと思っている自分もいれば、このままでいたい、と思う自分もいて困る。


その場にしゃがみ込んで、膝におでこをくっつけると腫れた部分に少し痛みが走った。
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