8月25日(前編)
「結構腫れてる」

そう言った水樹くんと瞳が絡む。

あー、やっぱりわたしはこの人の顔…

瞳が好きだ。


そう思った。

「紗良ちゃんの素顔、俺以外の人には見せないで?だからこの前髪も切らないように」

そう言うと水樹くんは優しく笑った。

その笑顔に引き込まれようとした時、視界が悪くなり…


前髪を戻されてしまった。


その時、初めてこの前髪が邪魔だと思った。

「ね、紗良ちゃん、昨日した約束ちゃんと守ってね?覚えてるよね?」

と聞かれ、素直に頷くと「よかった」と声が降ってきた。
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