8月25日(前編)
俯いたまま右横の席に視線を移す。

初日から遅刻なのか休みなのか空席のまま。


確かここの席は…

ーー矢加部千波[やかべちなみ]

という子の席だったはず。


まぁ、関わることなんてないだろうけど。

なんて思いながら視線を戻す。

それにしても今日は初日だからなのか、先生の話しがかなり長くて首が悲鳴をあげ始める。


そろそろ痛みの限界!と思った時、後ろのドアが開く音が聞こえた。

「矢加部〜、もうから遅刻か?そしてその髪はなんだ?昨日も注意したはずだぞ」


先生はそう言いながら、わたしの席の横までやって来た。
< 6 / 530 >

この作品をシェア

pagetop