8月25日(前編)
チラッと矢加部という子を見たけど、すぐに視線をそらした。


彼女は一番関わってはいけない容姿をしている。

金髪の髪は綺麗に巻かれていて、顔はかなり濃い化粧、制服は今時風に着崩していて…


過去を振り返っても、だいたいこういう系の人間にいい思い出はない。

彼女が現れるまでは、それとなくいい席だと安心していたけど、ここはとんでもない席だったのかもしれない。


わたしの高校生活は終わったも同然…。


「矢加部、それから夏目、お前ら2人は放課後職員室に来い」

……え?わたしも?どうして?…


突然のことに俯いた顔を上げかけたけどやめた。
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