【完結】わたしたち、離婚を前提の期間限定夫婦になります。
「……ん? もう、朝……?」
その次の日の朝、6時半頃目を覚ましたわたしは、ふとベッドの隣に視線を向けた。
だけどいつも隣にいるはずの爽太さんはいなくて、ベッドから起き上がってリビングに行くと、爽太さんはソファで毛布を掛けて寝ていた。
え、爽太さん、ここで寝てたの……?
「ん……。あ、紅音……?起きたのか?」
「はい。すみません、起こしてしまって……」
「いや、体調はどうだ?」
と起き上がった爽太さんから、聞かれたわたしは「だいぶ良くなりました。……ありがとうございます」と答えた。
「そうか。まぁまだ完全に治った訳じゃないんだから、今日も安静にしてろよ?」
「はい。分かりました」
と返事をしたわたしは、爽太さんに微笑みを向けた。
「紅音。食事、食べられそうか?」
「……あの、少しなら」
「じゃあ昨日の夜の雑炊が残ってるから、好きな時に食べるといい」
爽太さんは冷蔵庫からペットボトルのお茶を取り出すと、そう言ってわたしに視線を向けた。
「はい。……食べます、ちゃんと」
「お。偉いな、紅音は」
と、爽太さんは笑っていた。