【完結】わたしたち、離婚を前提の期間限定夫婦になります。


 その翌日、俺は友人である加古川を家に呼び出した。

「おう。悪いな急に呼び出して」

「珍しいじゃん、お前から呼び出すなんて」

 今日は紅音は用事があると言って出かけているため、俺は紅音のいない時間を見計らい加古川を呼び出した。

「ちょっと、話があってさ」

「話?」

「ああ」

 俺は冷蔵庫から麦茶を取り出すと、それをコップに2つ分注ぎ、加古川に一つ手渡した。

「ああ、ありがとう」

 加古川は冷えた麦茶をそのまま一口飲み、俺に「で、今日はどうした?」と問いかけてきた。

「あのさ、紅音のことなんだけど」

「奥さん?」

「ああ。……お前には、話しておきたくてな」

 加古川にそう言った俺は、麦茶を少し飲みテーブルに置いた。

「なんだよ?」

「……俺たち、離婚するんだ」

「はっ? 離婚!?」

 加古川は驚いたような表情をしていた。 
 まぁ無理もない。いきなりそんなことを言うんだ。誰だって驚くに決まっている。

「ああ」

「おいおい。どういうことだ?何があった?どうしたんだよ」

 加古川は俺に近寄り質問攻めにしてきた。
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