【完結】わたしたち、離婚を前提の期間限定夫婦になります。
そんなことを思いながら、わたしはお風呂に入った。40分後にお風呂から上がると、爽太さんはリビングにいなかった。
「爽太さん……?」
部屋にでもいるのかな……?
ふとキッチンに視線を向けると、すでに食器洗いを済ませていたようで、食器がキッチンマットの上に置いてあった。
「爽太さん、お風呂出ましたよ」
爽太さんの部屋のドアを軽くノックしてそう言うと、爽太さんは部屋越しで「分かった」とだけ答えた。
「爽太さん、食器洗い、ありがとうございました」
「気にするな」
爽太さんの言葉は優しい口調だった。
「はい」
わたしは自分の部屋に戻ると、髪の毛を乾かしスキンケアを念入りに行った。
毎日スキンケアをしているおかげで、肌の透明感は上がり、ニキビのない健やかな肌になっているのは嬉しいことだ。
爽太さんもいつもわたしの肌を【すべすべだな】
とか【キレイだな】とか言ってくれる。それはすごい嬉しいことだ。
わたしはふと何かを思い出したように、机の引き出しから母子手帳を取り出し、それを眺めた。
母親の欄には、わたしの名前が書いてある。