【完結】わたしたち、離婚を前提の期間限定夫婦になります。


 お釣りとレシートを渡し、カゴをお客様に渡す。 
 うちのお店は基本的に袋詰めをお客様にお願いしているので、そこに関しては楽だと思う。自動釣り銭機だから、お金を間違えることもないし。

「ありがとうございました〜」

「お待たせ致しました。お次のお客様どうぞ」

 レジを済ませたわたしに佳奈美さんからインカムで「小田原さん、手が空いたら休憩どうぞ〜」と言われたため、わたしは「ありがとうございます」と答えた。

「すいません。休憩入ります」

「はい。行ってらっしゃーい」

 休憩に入ったわたしは、ご飯を食べようとお弁当箱のフタを開けた。
 
「はぁ……お腹空いた」

 今日は日曜日だから、結構忙しいし……。
 お弁当箱のフタを開けてレンジで温めている時、スマホがピロッと鳴った。

「……え、爽太さん?」

 それは爽太さんからのLINEだった。
 
【連絡出来なくてすまなかった】

【いえ。そっちはどうですか?】

 と一言返信し、わたしはお弁当を食べ始めた。

【こっちは忙しいよ。毎日バタバタだ】

 そうだよね、忙しいよね……。大変そうだな、爽太さん。
< 134 / 208 >

この作品をシェア

pagetop