【完結】わたしたち、離婚を前提の期間限定夫婦になります。
「……よし、買い物でも、行こうかな」
わたしは買い物に出かけるため、買い物袋やお財布、スマホなどを持ちスーパーへと買い物に出かけた。
ビーフシチューを作るのは久しぶりだった。爽太さんはビーフシチューが大好きみたいで、わたしの作ったビーフシチューをいつも美味しいと食べてくれる。
それは素直に嬉しいことだ。料理を褒めてもらえるのは、わたしにとってはとてもすごいことだと思っている。
スーパーまでの道のりを歩いていた時、急に気持ちが悪く感じた。
その気持ち悪さに、わたしは一旦道端に座り込んでしまった。
「気持ち悪い……」
まさか今の、つわり……? そんなの困る。
「あの、大丈夫ですか?」
「……え?」
座り込んでしまったわたしに、誰かが声をかけてくれた。
振り返るとそこにはーーー
「あれ、紅音さん?」
「美乃梨さん……?」
凜音くんを抱っこ紐で抱いた美乃梨さんが立っていた。
「どうしたの?大丈夫?」
「は、はい。大丈夫です……。すみません」
わたしは立ち上がると、そう答えた。
「もしかして、つわり?」
「……はい」