【完結】わたしたち、離婚を前提の期間限定夫婦になります。


「……よし、買い物でも、行こうかな」

 わたしは買い物に出かけるため、買い物袋やお財布、スマホなどを持ちスーパーへと買い物に出かけた。
 ビーフシチューを作るのは久しぶりだった。爽太さんはビーフシチューが大好きみたいで、わたしの作ったビーフシチューをいつも美味しいと食べてくれる。
 それは素直に嬉しいことだ。料理を褒めてもらえるのは、わたしにとってはとてもすごいことだと思っている。

 スーパーまでの道のりを歩いていた時、急に気持ちが悪く感じた。
 その気持ち悪さに、わたしは一旦道端に座り込んでしまった。

「気持ち悪い……」

 まさか今の、つわり……? そんなの困る。

「あの、大丈夫ですか?」

「……え?」

 座り込んでしまったわたしに、誰かが声をかけてくれた。
 振り返るとそこにはーーー

「あれ、紅音さん?」

「美乃梨さん……?」

 凜音くんを抱っこ紐で抱いた美乃梨さんが立っていた。

「どうしたの?大丈夫?」

「は、はい。大丈夫です……。すみません」

 わたしは立ち上がると、そう答えた。

「もしかして、つわり?」

「……はい」
< 150 / 208 >

この作品をシェア

pagetop