【完結】わたしたち、離婚を前提の期間限定夫婦になります。
美乃梨さんには妊娠していることを知られてしまっているため、ウソは付けない。
「大丈夫?動ける?」
「……もう治まったので、大丈夫です」
「そっか。良かった」
あの日の検診以来、美乃梨さんには会っていなかったけど、前に比べて美乃里梨さんのお腹は少し大きくなっているのか、ふっくらしたように見えた。
凜音くんも前に会った時よりも成長していて、大きくなったようにも見える気がした。
「すみません。ご心配、おかけして……」
「いえ、つわり辛いですよね。わたしもつわりひどい方だったから、よく分かります」
美乃梨さんは優しくそう言ってくれた。
「なんか凜音くん、少し大きくなりました?」
少しでも心配をかけないように、話題を変えることにした。
「そうですね。すくすくと成長中です。 この子、たくさんミルク飲むんです。だから大きくなるのも早いかも」
なんて言いながらも、美乃梨さんは嬉しそうに笑っていた。
その姿を見てわたしは、美乃梨さんは本当に幸せなんだなと感じた。
「そうなんですね。でもすっごく可愛いです」
「夫も毎日言ってるよ。凜音は可愛いなって」