【完結】わたしたち、離婚を前提の期間限定夫婦になります。


「そうなんですね?全然想像つかない……」

 テレビでこの前、あんなに真剣に救命のことを話していた加古川先生だったから、全然想像がつかない。

「家ではもう凜音を可愛がってますね。お風呂にも積極的に入れてくれるし、寝かしつけてもくれるんです」

「へぇ。まさにイクメンってことですね」

「そういうことですかね?」

 なんて笑いながら明るく話したら、ちょっと気持ちも楽になったし、余計なことを考えなくていいから、気も紛れる。
 これも美乃梨さんのおかげかな……?

「そうだ。加古川先生に、この前テレビ見ましたよって伝えておいてください」

「あ、見ましたか? 分かりました。伝えておきます」

「お願いします。旦那さん、テレビ出てた時カッコ良かったですよ」

 というと、美乃梨さんは「あ、紅音さんもやっぱりそう思いましたか?」と笑いながら返事を返してきた。

「やっぱりということは、美乃梨さんもですね?」

「はい。当たり前じゃないですか。わたしの自慢の夫なので」

「そうでしたね」

 なんて話していると、美乃里さんの笑顔は本当に素敵だなって思った。
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