【完結】わたしたち、離婚を前提の期間限定夫婦になります。
「……紅音、大丈夫か?」
「大丈夫……」
妊娠していることを思い出して、ちょっとだけ行為が怖くなった。
だけど妊娠していることを言えていない今、隠すしかないと思った。
「なるべく優しくするから」
「はい……」
爽太さんとの行為は、いつもわたしを快感へと導いていく。一定のリズムで揺れるベッドの上では、爽太さんがわたしの両手をしっかりと握りしめている。
そんな快感を感じながら、わたしは爽太さんとの行為に夢中になった。
「はぁっ……っ、んっ」
爽太さんの体から流れるその汗が、わたしの体にも流れ落ちてくる。
行為の激しさが増すと、揺れるベッドのスプリングがギシギシと音を立て始めた。
「爽……太さ、んっ……」
「紅音……。愛してる」
「わたしも……愛してる」
爽太さんのその言葉の後、わたしたちは二人で一緒に絶頂を迎えた。
「紅音、体は大丈夫か?」
「……はい。大丈夫……です」
行為後わたしは、睡魔に襲われた。そしてそのまま、眠りについてしまったようだった。
そしてその時に、まさか妊娠のことを知られてしまうことになるとは、思ってなかったーーー