【完結】わたしたち、離婚を前提の期間限定夫婦になります。
【爽太Side】




「よく眠ってるな……」

 2週間のシンガポール出張を終えてようやく自宅へと帰宅した俺は、今すぐにでも紅音に触れたくてそのまま紅音を抱いてしまった。
 行為の後、紅音は疲れたようですぐに眠りについてしまった。

 俺は眠っている紅音の髪や頬を撫でると「愛してる」と呟き、そのままシャワーを浴びた。
 そしてパジャマに着替えリビングに行くと、紅音が作ってくれたメニューたちが食卓に並んでいた。
 
「うわ、美味そうだな」

 ちゃんと俺のリクエストしたローストチキンとビーフシチューだ。
 本当に作ってくれたのか……。ありがとう、紅音。

 俺はビーフシチューを温めて器に盛り付け、そしてローストチキンもレンジに入れて温めた。

「……いただきます」

 熱々のビーフシチューを一口食べると、すごく美味しかった。お肉も柔らかくなっていて、食べやすくなっていた。

「美味い……」

 こんなに手の混んだ料理を作ってくれる妻、他にいるのだろうか……。
 あまりの美味しさに手が止まらなり、そのまま完食した。 

「ごちそうさまでした」

 そして食器を片付けていたその時。
< 157 / 208 >

この作品をシェア

pagetop